
それこそ先に挙げた人物との共演盤やMJQの作品、
ヒースブラザーズ(パーシーヒースはジミーヒース、
アルバートヒースのお兄ちゃんなのだ!
ちなみにジミーヒースはジンジャーブレッドボーイという曲の作曲者ですよ)
の作品など、名盤はたくさんあるんですが、やはり晩年の
最初で最後のリーダー作「A LOVE SONG」を聴いて頂きたい!
このアルバムでヒースは半数の曲でチェロを弾いているんですが、
これがまた枯れたいい音なんですわ。
一曲目の「A LOVE SONG」はヒースの素朴な味わいのあるオリジナルで、
チェロによる独奏なんですが、慈しむように愛でるように、
一音一音を丁寧に綴っていきます。
もうこの時点でかなり目頭が熱くなっているんですが、
2曲目の「WATERGATE BLUES」に入って、ヒースのチェロと、仲間たちの
コールアンドレスポンスに入った瞬間が、何度聴いても泣けます。
寛いだ曲調のブルースですが、気の合う仲間たちとのセッションを
心から楽しんでいる様子が目に浮かぶようです。
(ちなみにドラムは弟のアルバートヒース)
やっぱ泣けるわ、コレ。
他にもMJQの往年の名曲ジャンゴや自作の組曲などが収められていて、
彼の音楽人生が集約されたようなアルバムだと思います。
パーシー・ヒースはオーソドックスで、
音数少ない歌うような渋いプレイをします。
正直編成的にもサウンド的にも地味なアルバムかもしれん。
でもこのアルバムには80年の人生を
ジャズとベースに捧げた人物にしか出せない、
人柄が滲み出るような味わい深い音が刻まれています。
僕にとってこれからの人生で、ずっと聴き続けていきたい大切なアルバムです。
皆さんも是非、聴いてみてください。